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自宅に招待された時は…
プレゼントのNGって…?
カーネーション
フランス人の家を訪問する時、何かプレゼントを持って行くと「気が利く人」になれますよね。
家に招待してもらったからには、何を持って行こうか、悩みますよね。
そんな時、花は最も無難で喜ばれるプレゼントです。
でも、カーネーションはやめましょう。
フランスでは、カーネーションは「お供えの花」なんです。
教会やお墓に手向けられることが多いため、そんな花を招待してくれた人へのお礼に渡さないですよね。
日本でも、菊の花をプレゼントされたら、「お供えかよ!」と思いますよね。
それと同じです。
その由来については、イエス・キリストのお話にさかのぼります。
マンテーニャ作「勝利の聖母」では、はっきり見えませんが幼いイエスの手に二輪のカーネーションが握らされているそうです。
これらは、「人間性」と「神性」を象徴すると言われています。
中世の伝説によると、磔にされたわが子イエスを目にした聖母マリアが涙をこぼし、その涙がカーネーションに変容したといわれていたそうです。
またその種の形が「釘」に似ていることから、イエス・キリストの受難の象徴としても表現されます。
キリスト教でカーネーションが意味することを理解すれば、日本のように贈る花の候補には上げられないですね。
菊(クリサンセマム)
カーネーションに続いて、「じゃあ、菊はどうなの?」と言われそうなので、ついでに。
フランスでも菊の花は贈り物には適しません。
理由は日本と同じ。
菊の花は、「喪に服する」ことを意味するのです。
ですから、贈り物には適さないですね。
赤いバラの花束
それじゃあ、何の花がいいんでしょう?
「何でもいいですよ」と言いたいですが、もう一つやめておいた方がいいものがあるので言っておきます。
それは、赤いバラの花束です。
日本でもよく知られているように、赤いバラは「愛」「激しい情熱」を意味します。
ですから、招待してくれた人に愛を表すバラをプレゼントすると、その後はどうなるかちょっと恐いですね。
もちろん、愛を伝えるために訪れるのなら、赤いバラを持って行ってください。
別の意味では、赤いバラをプレゼントすると、相手に何かを懇願している意味になるそうです。
こちらとしては単なるプレゼントのはずが、相手からすると「何か下心があるのかな?」と変に勘ぐられることになりかねません。
反対に、日本人女性に対して、フランス人男性はよくバラの花束をプレゼントします。
その意味は…。
「お楽しみに」
又は
「気を付けましょう」。
ワインがNGになる場合も!
これまでにもお話ししてきましたが、フランスでは親しくなった人を自宅に招待する習慣があります。
その時のおもたせでワインを持って行ったらどうだろう?と思ったことはないですか。
ちょっと待ってください。
古いフランスの習慣なのですが、かつては招待された家にワインをおもたせで持って行くのはNGの場合があるのです。
というのも、ワインはホストが準備するものであり、客がワインを持ち込むと、「準備したワインでは不十分だから、もっといいワインを持ってきてやったよ」という意味になりうるのです。
ですから、特に親しい場合を除いては、ワインを持って行くのはやめておきましょう。
※このタブーは、現代ではもはや化石になっているかもしれません。
訪問時やレセプションでのマナー
ドレスコード
フランスでは、頻繁にホームパーティが行われます。
週末になると、夜遅くまで近所の家で大騒ぎしているなんて、普通の光景です。
もっときちんとした場になると、「レセプション」と呼ばれる大きなパーティーも。
レセプションに招待された時、「ドレスコード」が気になりますよね。
ドレスコードとは、TPOに応じた服装のことで、カジュアル、インフォーマル、フォーマル、ガラといった状況に分かれます。
フランスでは、レセプションのような格式高いパーティの場に限らず、多くの人が集まる場面では、上着を着た方がいいです。
夏場など、ポロシャツ1枚で参加していると、表面的にはみんなが笑顔で接してくれても、心の中では軽蔑されているかもしれません。
ビジネスなど、あなたのことを認めてほしいのなら、なおさらきちんと上着を着るようにしましょう。
屋内で傘を干すのは「不幸を呼ぶ!?」
日本では、雨の日に家やオフィスを訪れると、廊下や階段のスペースにたくさんの傘が開いて干されているのを見かけますね。
でも、これ、フランスでは御法度なんです。
まず、屋内で傘を開くことは、「不幸が訪れる」として嫌われるんです。
まして、屋内に傘を開いた状態で置いて干すなんて最悪。
私も、フランス語のレッスンを受けている時、雨の日に教室の外の廊下に傘を干していると、先生に言われました。
「お化けコウモリがいる!早く片付けて!」と。
私はびっくりしてすぐに片づけて理由を聞くと、「フランスでは、屋内で傘を開くことは不幸を呼ぶから絶対にダメだよ。」と言われました。
それ以来、私も屋内で傘を開くことをやめました。
あなたも、もうやめましょう。
「13」は避けましょう
再度に、数字に関するタブーを。
イベントを企画する日時や、相手にプレゼントを渡す時には、「13」の数字が関わるのを避けましょう。
日本で言う、「4」を避けるのと同じようなタブーですね。
Wikipediaでは、「未知数説」、「非調和な数説」、「宗教的要因説」など様々な説があるそうです。
キリスト教の国では、よく「ユダが13番目の弟子として最後の晩餐に参加」とか、「13日の金曜日」といったお話がありますよね。
でも、これらの話は13がタブーの数字であるこじつけにするために作られた話ともいわれています。
何が本当の説かは分かりませんが、とにかく13になるのは避けましょう。