
フランス司法の現実に迫るドキュメンタリー映画「Rendre la justice」が、2019年11月13日に公開。
国家や政府の影響を受けず、法の支配のみに従う裁判所。
そして、法に基づき公平な裁定を行う裁判官。
裁判所を中心とした司法の仕組みは謎に包まれています。
日本でも、近年裁判員裁判の実施によって、一般国民にとっても司法が少し身近になったと言えるようになりましたが、裁判所や裁判官はまだまだ遠い存在です。
「Rendre la justice」では、裁判所における業務に密着し、裁判がどのように行われるか、そして裁判に関わる人々はどんな思いを持っているかについて明らかにするドキュメンタリーです。
映画では、一般の人も立ち入りできる場所だけでなく、法曹関係者のみが出入りできる場所や被告が出廷するまでの動きを撮影し、よりリアルな裁判の仕組みを表現しています。
また、複数の法曹関係者にインタビューを行い、彼らがどんな思いで司法という仕事に携わっているか、そしてどのような気持ちで裁判に臨んでいるかを聞き出します。
自らが関わるほとんどの事項について守秘義務を持つ彼らが、可能な限り話せる内容を伝えてくれるインタビューはとても貴重なものです。
この映画を観ることで、司法に関わる仕事に就きたい人だけでなく、日本でもほとんどの人が対象となる裁判員制度に臨む上での心掛けができると思います。
この映画を日本でも観られる日はまだ先かもしれませんが、この名前を見かけたときには、ぜひ一度ご覧になることをお勧めします。
ところで、この映画とは異なりますが、あなたにぜひ観てもらいたい映画があります。
日本でもおなじみのフランスの大女優、カトリーヌ・ドヌーヴが少年司法に関わる裁判官を演じる映画「La Tête haute」です。
一人の少年に関わる裁判官の視点から、人間が成長する中での日々の困難や変化のためのきっかけの大切さといったことを理解させてもらえる映画です。
本稿でも一度紹介させていただいていますので、よかったらそちらをご覧ください。
映画はYouTube等にもアップされていますので、誰でも観られると思います。
そして、映画をご覧になった方は感想をいただければ嬉しいです。