中世の威光を今に伝える、ヴァレントレ橋
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もう一つのワインの街、カオール

「黒ワイン」と呼ばれる濃厚なワインで有名なカオール。

そのカオール市をぐるっと取り囲むように、ロット川が流れています。

ロット側をつなぐ橋の一つであるヴァレントレ橋は、14世紀に建設されてから700年もの間、カオールの街の象徴であり続けました。

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ヴァレントレ橋が建設された中世。

戦乱が絶えなかったその時代には、ヴァレントレ橋は交通の要所であると同時に、市街地を守る堅牢な要塞でもありました。

町の人にとっては、橋を渡って対岸に渡ることは生活上必須ですが、戦乱で敵に侵略されることは絶対に許されなかったのです。

当時の橋は、扉や落とし格子で守られており、敵の侵入を許したことはなかったそうです。

そんなヴァレントレ橋には、もう一つの役割がありました。

それは、冬の厳しい川の流れに負けず、カオールの街と対岸とを結ぶ使命です。

水温が下がり、水の流れが急になる冬場には、船で対岸に渡ることは決死の行動でした。

橋があることで、そんな危険を冒す必要はなかったのです。

700年もの間語り続けられてきた歴史を知る人々は、畏敬の念をもってこの橋を訪れ、しばしの時間を過ごします。

まさに、中世のカオールにおける、権力の象徴。

橋は、人々の生活の大動脈であり続けたことで、当時布貿易で大きな富を築いた商人たちの活躍をも支えてきたのです。

安心して橋を渡り、ヨーロッパ各地に布を販売した商人たち。

彼らの富は橋の恩恵であると考え、商人たちは橋近辺の土地を購入し、橋を借り受けることで、橋を維持すると同時に彼らの威光も維持し続けたのです。

そんな素敵な歴史を持つヴァレントレ橋の所在するカオールへ、あなたも行ってみませんか。

近くには太古の昔に描かれたラスコーをはじめとする壁画の洞窟も点在しています。

パリから行くのはなかなか大変ですが、一見の価値があります。